近年建築様式の好みの調査で洋風の様式がに高い支持を得ていることが明らかになりました。しかし、土地付住宅の場合、地価は高くなかなか思ったように住宅自体に資金がかけられなかったり、住宅のみに資金が費やされる場合でも様式感もはっきりせず、美しさも不十分で水準が非常に低いという問題があります。
ゴシック・リバイバル様式の特徴は、「夫は妻を愛し、妻は夫を敬い、夫婦でその子供を愛しんで育てる」と聖書に描かれているキリスト教の家庭像を実現するためには、神のやってくる教会のデザインを住宅に取り入れることと考えられた点にあります。
ビクトリアン時代は、大きな富をなした産業資本家や貴族達の間で、海外に出かける事が資産家であることの証明であるかの様に、競って海外に出掛ていた時代でした。自分達の富を誇示するかの様に、ヨーロッパ大陸の中でも、当時異郷として英国にはない自然が特に美しかったスイスに旅行しました。そこで見たままの美しい、コテージのデザインを取り入れた邸宅を持ち、高原の別荘生活のようにすることが、憧れのシンボルと考えられていました。
米国における住宅様式:イタリアン・ルネッサンス・リバイバル様式
イタリアン・ルネッサンス様式は、16世紀イタリアにおいて、ゴシック様式を見直し、古代ローマ時代のヴィトルビウスの「建築十書」を基に、ローマ風建築を復興したものです。シンプルで美しいデザインとして英国で再登場したことから、イタリアン・ルネッサンス・リバイバル様式と呼ばれています。
クイーン・アン様式は、ビクトリアン王朝の中期に英国で生まれた様式を起源としていますが、米国のクイーン・アン様式は基本的に英国のクイーン・アン様式を踏襲しながら、その華麗な意匠や装飾を誇大に強調することによって、より分かり易い形で、伝統的な建築様式の面白さを享受できるものになったと考えられています。
プレイリー様式は、米国において初めて西欧の伝統建築デザイン以外のデザインとして、米国中西部で創造されたものです。時代の前衛的デザインとして、ドイツの古典様式からの分離を宣言したセゼッション(分離派)運動に相呼応して生まれたグラスゴー派運動などと同様に時代が生み出した建築様式です。